- 作業療法士って理学療法士と何が違うの?
- 給料は実際どうなの?
- 仕事はやっぱり大変?忙しい?
という疑問を持つ学生さん、非常に多いと思います。
夢や希望を抱いてGoogleで検索すると、華やかに飾られた病院や大学のホームページにたどり着き、リハビリという仕事への期待に胸を膨らませるでしょう。
今回はそういった夢を与えるような内容ではなく、現役の作業療法士(OT)である自分が、概要や仕事内容を簡単にお話しながら、
現場のリアルな声をお届けします。(給料~とか、異動~とか…。)それでは参りましょう。
筆者について
まず初めに、
僕は8年目になる作業療法士で、2度転職を経験し、現在は療養病院で勤務しています。
本当に作業療法士なのか疑わしいと思うので、

ドン!!!
はい。作業療法士の免許証です。
車の免許証と違って、賞状みたいな大きい紙なのです。
これでちゃんと作業療法士だと伝わったと思いますので、話を続けていきますね。
作業療法士とは?
まずはじめに、作業療法士とはどういった仕事なのか簡単にお話します。
そもそも【作業療法士】とは?
作業療法士(Occupational Therapist)は、ケガや病気、障がいなどによって「今までできていたことが難しくなった人」に対して、“その人らしい生活を取り戻すためのリハビリ”を行う仕事です。
たとえば、
- 脳卒中で右手が使いにくくなった方に「料理ができるようになる」ために支援
- 高齢の方が「家で安心して暮らせるように」生活動作の練習をする
- 心の病を抱える方が「社会に戻る準備」をできるよう支援する
つまり、作業療法士のリハビリは“生活に直結”しているのが特徴です。
ただ動けるようになるだけでなく、「その人が自分らしく生きること・生活すること」を
支える仕事です。
理学療法士との違い
よく理学療法士(PT)との違いについて聞かれます。
簡単に言うと、
- 理学療法士は“体の動き”を改善する専門家
- 作業療法士は“生活の動き”を取り戻す専門家
と説明しています。表にしてみるとよりわかりやすいです。

理学療法士は身体そのものへのアプローチが多く、対して作業療法士は身体よりも生活動作や精神面に寄り添う部分が多いです。
まずはPTが身体の基礎能力をさせ改善させて、
その後にOTが生活動作を改善していく。という流れが一般的ですね。
作業療法士ってどこで働いているの?
作業療法士が活躍する場は幅広いです。
- 病院(一般病院、大学病院、精神科病院)
※ 主に急性期、回復期、維持期、終末期(ホスピス)に分かれます。 - 介護領域施設(デイサービス、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム等)
- 障害者福祉施設
- 児童福祉施設(発達障がい児支援センター、特別支援学校など)
- 養成校や教育機関
- その他(就労支援施設、行政機関、リハビリ関連企業など)
このように非常に幅広い領域で活躍されている方が多いです。
新卒では病院を選択する方が非常に多く、数年経験した後に各々興味のある分野に転職していくケースの方が多い印象です。
自分は急性期を4年。現在は維持期の病院に勤めて4年になります。
リアルな話はこちらから
ここまでの話は、どのホームページでも書かれている内容ですので、
読み飛ばしていただいて構いません。
ここから、リアルなお話をしていきますね!
【給料明細公開】給料って正直どのくらい?
ほとんどの皆さんがこの部分、気になるのではないかと思います。
ホームページを見ると、
作業療法士の平均年収は約444万円で、月給は31万1,400円程度、賞与(ボーナス)は約70万4,700円が一般的です。初任給は約24万6,300円程度。
引用:令和6年賃金構造基本統計調査
このように記載されています。
なるほど444万円。悪くないなって思いました?
ではこちらをご覧ください。
1年~3年目の神奈川県内の病院の給料明細は紛失しました…。
総支給としては¥3,500,000くらいだたったかなと記憶しています。

↑これは4年目時点の給料です。¥3,356,831です。
これは新潟県内の病院に勤務しているときの給料明細です。
総支給で¥3,356,831です。
次にこちら、

↑これが7年目時点の給料明細です。
これが現在勤めている、新潟県内の病院の給料となります。
総支給で¥3,209,243です。
これらを見てどう感じましたか?僕は今8年目時点で約320万です。
月の手取りでいったら大体¥190,000~¥210,000程度です。
安くないですか????
平均年収444万円はどこからとってきたデータなのか????って不思議に思います。
ちなみに昇給も年3000円程度。10年働いても何も役職がなければ30,000円しか上がりません。
なぜこんなに安いのか
リハビリの給料は医療報酬や介護報酬などの保険制度内で決まっているため、
報酬の上限や改定ペースが限られているため賃金が大幅に上がりにくい構造となっている。
例えば、”20分2,450円”といったように国がリハビリを含む医療にかかる単価を決めているので、それ以上は請求できないんですね。
つまり、ある程度病院に入ってくるお金は決まっているので、
給料が上がりにくい状態となっています。
資格をとっても変わらないのか?
作業療法士に限らず、医療系の職種はキャリアアップとして関連分野で取得可能な資格があります。
いくつか以下に例を挙げます。
これは一例で、他にもたくさんの資格があります。
どの資格も専門分野やスキル、マネジメント能力を強化し、キャリアの幅を拡げることに
役立ちます。
特に認定作業療法士や専門作業療法士は日本作業療法士協会認定の資格で評価が高いです。
ですが!!
病院や勤務施設によって異なると思いますが、どの資格をとっても、給料upには直結しないことが多いです。
少なくとも僕が勤務した病院はすべて、資格取得に対する手当はありませんでした。
これはなぜかというと、先ほども説明した通り国が単価を決めているので、
資格があろうがなかろうが、請求できる金額は変わらないのです。
ちなみに、リハビリは時間ごとに単価設定されているので、
例えば20分間みっちりリハビリしてもしなくても、値段は変わりません。
仕事は忙しいの?
これは勤務地による。
例えば病院には急性期や回復期といった病期ごとの役割を担った病院があります。
- ケガや病気をして間もない患者が入院するのが急性期病院。
- 経過が安定し、よりリハビリに注力するために入院するのが回復期病院。
- その後在宅復帰や施設退院が難しいときに長期療養するのが維持期病院。
こんな感じに役割ごとに分かれているのですが、筆者の印象として、
急性期病院はリスク管理を徹底したり、そもそも患者数いこともあり忙しい印象です。
回復期や維持期の患者は病状が安定していることが多く、リハビリも比較的ゆっくりと進めていくため、急性期に比べるとそこまでいそがしくないかな。という印象です。
僕が急性期病院に勤めていた時は、外来と入院含めて1日20人近く対応して、座る暇もないような忙しさでした。
それに比べ現在は1日10人程度で、定時を待つくらい暇な時間があります。
異動はあるの?
これも勤務地による。
大きい法人の病院だと、全国に同系列の病院や施設を展開しています。
さすがに県外はあまり聞いたことないですが、部署異動や同じ県内の同系列の施設への異動はよくある話だと思われます。
これは本当に勤務地によるところが大きいので、就職説明などでよく聞いておいたほうが良いと思います。
まとめ
今日は3つほどリアルなお話をさせていただきました。
改めて言いますが、作業療法士という仕事は人間が生きていく以上必要不可欠な職種といえますし、人の役に立つ素晴らしい仕事だと思っています。
ロボットなどで代用できるような仕事ではないため、今後も需要はあるでしょう。
ただ一つ言いたいのは、
給料安すぎるので助けてください。
人の助けになるのはそうなんですけど、そもそも働いてる自分達が身を削っていたら
本末転倒といいますか、人のために働いているのだからもう少しあげてくれませんか?
本音が出てしまいました。
作業療法士として働くことに興味を持つ方に水を差すような内容でしたが、それでもなかなか知ることのできないリアルな声を紹介して、参考になる人がいたらいいなと思って記事にしました。
その内作業療法士として働いている中での出来事や、あるあるなども記事にしていけたらと思っています。
もしも作業療法士について気になることがあれば、わかる範囲でお答えします!コメントやメッセージにてお答えしますのでお気軽にどうぞ!
それでは今日はここまで!おわりー!

素晴らしい!!
(炎上回避)